当サイトでは女性器やその周辺を表す語として「デリケートゾーン」を使用しています。
医師の関口由紀さんは、著書「セックスにさよならは言わないで」で、この「デリケートゾーン」の使用に異を唱えていらっしゃいます。
PR:楽天市場
セックスにさよならは言わないで 悩みをなくす腟ケアの手引 [ 関口 由紀 ]
それにはどういう理由があるのでしょうか?同書の29~32ページから一部を抜粋して紹介します。
「デリケートゾーン」はイメージに問題あり 「フェムゾーン」を推奨
「デリケートゾーン」は、「女性器」の過度に性的なイメージを和らげるために使われていますが、関口医師には違和感があるようです。
日本では最近、「デリケートゾーン」と言い換えられることが多くなっています。「女性器」という言葉が、男性向けのセックスに関係する文章などで多く使われているため、猥褻なイメージを避けたいという事情があるのでしょう、とくに女性向けに書かれた文章で、「デリケートゾーン」という表現が目立ちます。
けれども私は、この「デリケートゾーン」という言い方には、問題があると思っています。
その理由は「デリケート」という語から受けるイメージにあります。
なぜならデリケートゾーンという言葉には、「繊細なところ」「大事にしなければないけないところ」というイメージがあるからです。その結果、知らず知らずのうちに、女性たちは「触ってはいけないところ」と思い込んでしまいがち。
しかし、膣と外陰は、女性が自らしっかり見て、触って、ケアをすることがとても大事な場所です。ケアをすれば、年を重ねても健康を維持できる、比較的丈夫な臓器なのです。
それならば「女性器」が選択肢になりそうですが、近年の”性”の考え方を考慮するとそう単純ではありません。
それならば「デリケートゾーン」は使わずに、「女性器」を使えばいいのではないかという意見もあるでしょう。
けれども最近のジェンダー論では、性別は、「体の性」と「精神の性」、さらに「性的指向」という3つの要素から判定されるようになってきています。つまり、膣と外陰があるからといって、その人が「女性である」とはいえなくなってきているのです。膣と外陰があっても、それが女性器でない場合もあるということです。
関口医師は様々な候補を考えています。
そこで、いろいろ考えました。最初は、「フェミニンゾーン」とか「フェミゾーン」はどうだろうと思いました。けれども、英語のfeminineには、「女性の~」という意味と、「女性らしい」という意味があります。「女性らしい臓器」であるなら、それは「デリケートゾーン」と同じ。またまた「繊細な臓器」という意味を含有してしまいます。
何かもっと違う言葉はないかと考えていたところ、最近になって「フェムテック」という言葉が一般的になってきました。”female”の”fem”と、”technology”の”tech”をかけ合わせた造語で、身体的性別にかかわらず、LGBTQ+の人たちが使うようになっています。
”female”は「女性」という意味。”technology”は「技術・テクノロジー・科学技術」などを意味する語。よって「フェムテック」は、「女性向けの技術」「女性向けの開発」「女性向けの企業」と翻訳されていて、「女性らしい技術」と訳されることはありません。
最終的に関口医師は「フェムゾーン」を推奨しています。
それでこの、既存の性別の概念と異なる要素がある「フェム」という言葉を使うことを推奨するため、本書では、ここまで「女性器」という語に、「フェムゾーン」とルビを振りました。
「女性器」を「フェムゾーン」と言い換えるとポジティブな印象になり、ジェンダー差別を感じることなく、前向きに自分の体を知り、積極的にケアしようという気持ちになれると思います。
どう呼ぶかは人によって考え方が違うでしょう。
当サイトでは「デリケートゾーン」を使う予定ですが、違和感がある方は関口医師の「フェムゾーン」も選択肢にしてはいかがでしょうか。