広島大学大学院の前田慶明理学療法士は、「膝パカ」による骨盤底筋強化を提唱されています。

「膝パカ」とは、ザックリいうと膝を左右に動かして脚を開閉する運動です。
 

 
骨盤底筋といえば、膣トレで鍛える箇所として当サイトで最も多く話題になっている筋肉です。
 
鍛えることで、女性にうれしい様々なメリットを得られます。(下の関連記事をご覧ください)
 
雑誌「からだにいいこと」から、膝パカの詳しいやり方や効果を紹介します。
 
(このコンテンツはからだにいいこと2022年6月号62~63ページを参考にしています)

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骨盤底筋とホルモンバランス・ゆるみによる悪影響

前田講師は骨盤底筋力とホルモンバランスの関係を指摘されています。

骨盤の底にある「骨盤底筋」は、内臓や骨盤を支え、排せつと姿勢の保持を行う筋肉。
 
骨盤底筋が強化されれば排尿や排便がコントロールできるうえに、卵巣機能が上がってホルモンバランスも整います。
 

出産のダメージや更年期による女性ホルモンの減少、運動不足などが原因で骨盤底筋は衰えてしまいます。
 
骨盤底筋がゆるむと更年期の不調が悪化することがあります。
 
前田講師の解説です。

骨盤底筋は子宮や膀胱などの内臓を支え、正しい位置に保つ筋肉。骨盤底筋がゆるむと内臓全体が下垂して子宮や膀胱を圧迫。
 
卵巣機能の低下や尿トラブルの原因に。さらに血流も悪化し、冷えや肩コリなども引き起こします。
 

言い換えるなら、骨盤底筋を鍛えることでこれらの不調は改善できるということです。

骨盤底筋を鍛えることで得られる効果・メリット

膝パカなどにより骨盤底筋が鍛えられると全身の巡りが良くなって、さまざまな効果が期待できます。

骨盤底筋が力を取り戻せば骨盤が正しい位置に戻り、血流が促進。骨盤内にある卵巣機能が向上し、女性ホルモン分泌量が必要以上に減少するのを防ぎます。
 
また、体を動かすと自律神経が整うので、便秘や不眠など更年期不調もラクになりますよ。
 

前田講師も、骨盤底筋を鍛えるメリットを強調されていますね!
 
具体的には以下のような効果が期待できます。
 
内臓が正しい位置に戻り卵巣機能が活性化
骨盤底筋が力を取り戻すと、下垂して圧迫されていた内臓が本来の位置に戻ります。
 
すると血流が改善し、卵巣機能が活性化。女性ホルモンが正常に分泌されるように。
 
排尿をコントロールし尿もれ・頻尿を解消
腹圧がかかったときに骨盤底筋が収縮せず尿道を締められないと尿もれし、膀胱が内蔵に圧迫されると頻尿に。骨盤底筋力の強化で排尿もコントロール可能です。
 
腸の圧迫が解けて便秘が改善
骨盤底筋の弾力が上がれば腸が正しい位置に戻って活性化すると同時に、腸の出口の柔軟性が高まります。
 
緊張が解けて力まずにスルッと排便できるように!
 

次に、前田講師おすすめの”膝パカ”のやり方を紹介します。

膝パカ運動のやり方 骨盤底筋を刺激!

骨盤底筋は、直接動かすのが難しい深層筋ですが、股関節を動かせば骨盤底筋が刺激されます。
 
膝パカによる股関節の開閉はお尻や内ももの筋肉(内転筋)から骨盤底筋にも連動するのです。
 
以下にやり方をまとめます。

仰向けになり両ひざをゆっくり開く

仰向けになり、両脚をそろえて両ひざを立て、両腕を胸の前で交差させる。口から息を吐きながら、5秒かけてゆっくりと両ひざを開く。
 
足裏は床につけたまま、お腹とお尻に力を入れましょう。

息を吸いながら両ひざをゆっくり閉じる

鼻から息を吸いながら、両ひざを5秒かけてゆっくり閉じる。1、2を1セットとし、5セット行う。
 
深くゆっくりと呼吸をすることで、骨盤底筋と連動する横隔膜が大きく動きます。体の内側からも刺激を与えられるように。
 
動作としては極めて簡単ではないでしょうか?
 
「ひざパカ」は、寝ながら骨盤底筋を鍛えられる運動です。
 
骨盤底筋を鍛えるだけでなく、血液循環を助けて肌や髪にハリ・ツヤを与えます。
 
寝る前など横になるタイミングで実践してみましょう。

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