小林暁子医師が、著書「医者が教える最高の美肌術」で、腸内細菌と美肌の関係について解説されています。

「腸内環境を整えると美容に役立つ」とはいまや常識になっています。
 

 
しかし具体的に「なぜ役立つの?」という理由は意外と知られていないようです。
 
この件について同書の102~104ページから、小林医師の解説を一部を抜粋して紹介します。
 
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腸内細菌の組成 善玉菌は美肌の強い味方

まずは腸内細菌の組成から。
 
善玉菌は美肌サポートに大きく貢献してくれることがわかります。

私たち人間の腸内細菌は1000種類以上、約100兆個もの数が生息しており、そのうちの約20%が悪玉菌、残りの約70%がそのときどきで働きを変える日和見菌といわれています。
 
このうち、善玉菌はすべて、健康的で美しい肌に欠かせない「美肌菌」だといっても過言ではないでしょう。
 
腸内に存在する善玉菌のうち、代表的なものが乳酸菌、酪酸菌、ビフィズス菌、糖化菌といった種類です。
 
これらの善玉菌が助け合って腸内細菌叢を整えています。
 

良い働きをしてくれるのは善玉菌だけではありません。
 
腸内環境によっては、日和見菌も味方になってくれます。

日和見菌にはレンサ球菌、バクテロイデスなどの種類があります。
 
これらの菌は体調の変化に応じて、優勢な側につくのが特徴。体調管理がよく、腸内で善玉菌が増えると、善玉菌の味方をしてくれます。
 
逆に、悪い食習慣や不摂生で悪玉菌が増えると、一転して悪玉菌の味方になってしまいます。

腸内環境を良い状態にキープしておくと、良い働きをする菌が増える、というわけですね。
 
それでは具体的に、善玉菌はどんな働きをするのでしょうか。
 
次のコンテンツで紹介します。

4つの善玉菌の働きの違い

上で4つの善玉菌を紹介しました。
 
これらの菌は働きが微妙に違い、それ自体が肌に良い栄養素を産生するものや、他の菌を助けるものがあります。
 
以下に小林医師の解説をまとめます。
 

乳酸菌の働き 有害菌の抑制や便秘解消

酪酸菌と共生することにより活発に増殖して腸内の有害菌を抑制する。
 
整腸作用があり、腸内環境が整うことで栄養の吸収がよくなる。その結果、末端の肌や髪にも十分な栄養が行き渡るようになる。
 
また、便秘が改善されることで体内の不要な物質や有害物質がきちんと排出されるようになり、肌荒れしにくくなる。
 

酪酸菌の働き トラブルに強い肌を作る ダイエットにも

腸粘膜の健康に大切な短鎖脂肪酸をつくり出す。
 
腸内に酪酸菌が多いとアレルギー症状が抑えられ、免疫力がアップするなど、トラブルに強い健康な肌づくりには不可欠。
 
また、ダイエット効果もあるといわれており、美容のためにはとくに重視したい菌。
 

ビフィズス菌の働き ビタミンを作り出す

ビタミンB群やビタミンK、強い殺菌力をもつ酢酸などをつくり出す。
 
ビフィズス菌が作り出すビタミンB群は、美肌づくりに欠かせない成分。ビタミンB2は肌のターンオーバーを促し、B6は炎症予防作用、皮脂分泌量のコントロール作用などで肌荒れを防ぐ働きがある。
 

糖化菌の働き 善玉菌を増やす・エサを作る

腸内の乳酸菌、酪酸菌、ビフィズス菌などの有益菌を増やす。
 
糖化菌が炭水化物(でんぷん)からつくり出す糖が、ビフィズス菌や乳酸菌などのエサになる。美肌づくりのカギとなる善玉菌の増殖をサポートする役目を担う。
 

 
いまでは善玉菌を摂取できるトクホ飲料などはたくさん販売されています。
 
今後それらを利用するときは善玉菌の種類をチェックして、「この菌はこんな感じで働いてくれる」とイメージすると、さらに良い作用が得られるのではないでしょうか?