LCといえばジャムウソープ。
 
身近で当たり前のように使われている石鹸ですが、どのように作られるかご存じでしょうか?
 
簡単にですが解説致します。

使う材料によって、石鹸の性質も変わるようです。

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※「商品一覧」にジャムウ製品あります


石鹸の手作り・冷製鹸化法と材料

シーちゃん、突然ですがクイズです。石鹸は何でできているでしょうか?


 
油ですよね?ちょっと前に、廃油で石鹸を作るっていう記事を見ました!

そのとおり!石鹸の主成分は油脂です。
 
石鹸の作り方には「冷製鹸化法(コールドプロセス法)」「釜焚き鹸化法」「中和法」の三つの方法があって、手作り石鹸には冷製鹸化法が一番多く採用されています。
 
この方法では、油脂と精製水(もしくは水道水)、苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)の三つで石鹸を作ります。
 
各成分を簡単に解説します。

油脂

石鹸の個性が決まる主成分です。
 
例えばオリーブ油を使うと保湿力のある石鹸ができます。ココナッツ油は泡立ちが良くなり、パーム油やシアバターは硬い石鹸を作れます。特徴については、下でも紹介しています。
 
油脂は主に植物性のタイプが使われているようです。

精製水

添加物を含まない、中性の精製水を使います。薬店のコンタクトレンズ用品コーナーで購入できます。
 
ちなみに固形石鹸を作る際の水は、日本であれば水道水を使って問題ありません。というのも、日本の水道水は硬度が低い軟水だからです。
 
含まれているミネラル分が少ない水を軟水といい、石鹸作りには軟水が適しています。
 
対してミネラル分が多い硬水は、けん化反応が理論値どおりに進まなかったり、完成した石鹸を使った時の石けんカスの原因になったりします。
 
「エビアン」「コントレックス」など、ミネラルが豊富で健康面からは勧められることの多い硬水ですが、石けん作りには向いていないのです。
 
石鹸を製品として作り、販売する場合は純度を高めた水を使うこともあるようですが、個人が趣味として作るならそこまでこだわる必要はないでしょう。

苛性ソーダ

劇薬指定されている危険な物質です。「苛性」とは、「動植物の皮膚などの組織をただれさせる、腐食させる」という意味です。
 
炎症を起こすので肌に触れたり、目に入ったりしないよう十分注意しましょう。水溶液も危険で、目に入れば失明のおそれがあります。
 
石鹸を作る際は、エプロン、手袋、ゴーグルを着用します。作業中は子供やペットが近寄らないように気をつけましょう。
 
薬局などで購入の際には捺印と氏名、住所、用途の記入が必要です。
 
 
冷製鹸化法での石鹸の作り方をざっくり解説すると、こんな感じです。

・精製水に溶かした苛性ソーダを油脂に加えて撹拌する
・油脂を型に入れて固める
・冷暗所で4週間ほど熟成させる

 
 
苛性ソーダの扱いには十分注意が必要ですが、冷製鹸化法は肌に良い成分をそのまま残し、劣化も少ないメリットがあります。
 
三つの基本材料にアロマなどを加えれば、独自のせっけんが手作りできます。
 

 
LCさんのジャムウソープも手作り石鹸であり、ジャムウその他の成分が入ったオリジナルソープになっているわけです。
 
油脂と精製水、苛性ソーダおよびその他の成分は分量をキッチリ守らないとうまく石鹸ができません。
 
苛性ソーダが多すぎて反応しきれずに残るのは絶対NGです。自己流で勝手に混ぜるのはやめましょう。
 
石鹸を手作りしている人に習うのがベストではないでしょうか。
 
手作りせっけんについては解説書も多数販売されているので、参考にしてみてください。
 

 
ちなみに「釜焚き鹸化法」は、最も伝統的な作り方です。(おなじみの牛乳石鹸も釜焚き鹸化法で作られています。下の「牛乳石鹸」コンテンツを参考にして下さい)
 
油脂とアルカリ剤を混ぜて、加熱しながら撹拌し、鹸化反応を起こして作ります。
 
その後「塩析」というプロセスで不純物を除いて純度の高い石鹸にします。(塩析を行わない場合もあります)
 
「中和法」は油脂からグリセリンを取り除き、脂肪酸だけを苛性ソーダ(もしくは水酸化カリウム)で中和して作ります。
 
経済的で効率よく作れますが、他の方法より変質しやすいので欠点です。
 

石鹸作りに使われる油脂(植物性)

以下に、主な油脂ごとの特徴を簡単にまとめます。手作りしようかな?と考えている方は参考にしてください。
 
石鹸としての用途だけでなく、マッサージに使えるオイルもあります。
 
ここでは植物性油脂だけを紹介していますが、下の牛乳石鹸とジャムウソープで紹介しているように、石鹸には動物性油脂も使われます。

アボカド油

各種ビタミンやオレイン酸を多く含み、保湿力のある石鹸を作れるので、乾燥肌向けです。きめ細かく持続性のある泡が作れて、洗い心地は軽い。

アルガンオイル

アルガンツリーの実から採取するオイルです。現在流通している多くのコスメにも配合されており、日本ではおなじみのオイルです。
 
肌の細胞を活性化するビタミンEがオリーブオイルの4~5倍多く含まれています。その抗酸化作用の強さから、モロッコでは「若返りのオイル」とも呼ばれています。
 
石鹸やシャンプーだけでなくスキンケアクリーム、食用油にも使われています。乾燥を防いで肌を柔らかくし、細胞の新陳代謝を活性化させます。
 
肌の老化(シミ、シワ)防止、セルライトや妊娠線の予防、ヘアケアに用いられます。

カレンデュラオイル

ベースオイルに、カレンデュラ(キンセンカ)を漬けこんで作る浸出油(インフューズドオイル)です。
 
カレンデュラは特に皮膚に対して高い効能を持っています。ヤケドや切り傷などの治療に古代からこのオイルが使われてきました。
 
角質の除去、肌を柔らかくする、保湿を助けるといった作用もあり、肌荒れ・乾燥肌対策にもピッタリです。
 
ただし酸化しやすいため、冷蔵庫で保管し、早めに使い切りましょう。

ココナッツ油

石鹸の泡立ちがよくなり、硬い石鹸ができます。25度以下になると固まり始めるので、石鹸にする場合は湯煎をすることもあります。
 

ごま油

抗酸化物質のセサミンなどを多く含んでいるので、酸化しにくい石鹸を作れます。きめの細かい、もっちりした泡が立ち、さっぱりした洗い心地です。
 
アーユルヴェーダでも古来から用いられています。肌に塗ると血行を促進し、冷え性対策になります。
 
保湿に加え、抗酸化物質のアンチエイジング作用から肌の乾燥、老化対策としても使えます。頭皮や髪の美容ケアにも向いています。
 

米油

泡立ちがよく、さっぱりしていながらスベスベの洗い上がりになる石鹸ができます。メーカーにより品質に差があります。

シアバター

肌に保護膜を作り、潤いを保持してくれます。紫外線防止効果もあります。溶け崩れにくい、硬い石鹸が作れます。
 

月見草オイル

「イブニングプリムローズオイル」とも呼ばれ、月見草の種子から低温圧搾法で抽出します。
 
不飽和脂肪酸のガンマリノレン酸を含み、アンチエイジングのほかアレルギー、かゆみ、乾燥といった肌トラブルにも使われます。
 
女性ホルモンのバランスを整える働きもあり、月経前症候群(PMS)の緩和も助けてくれます。

パーム油

硬くて溶けにくい石鹸ができます。ココナッツ油と同じく融点が高いので、固形になった場合は湯煎にかけて使用します。

ハイリノールひまわり油

リノール酸を豊富に含み、肌への刺激が少ないのが特徴です。きめ細かい、クリームのような泡立ちの石鹸ができます。
 

ひまし油(キャスターオイル)

トウゴマの種子を低温圧搾法で抽出したオイルです。柔らかくて溶けやすい石鹸ができます。
 
粘度が高く、垂れにくい泡を作れます。香りはほとんどありません。
 
免疫力をアップするといわれており、インドでは古くからアーユルヴェーダに使われてきました。老廃物の排出も助け、腹部に塗ると便秘の改善を助けます。
 
保湿作用もあるので、リップグロスの艶出しや傷んだ髪のトリートメントなどに使われます。

ピュアオリーブ油

オレイン酸が豊富で、保湿性の高い石鹸ができるので乾燥肌の人向けです。エキストラバージンなどの等級がありますが、石鹸用にはピュアオリーブ油でOKです。

ヘーゼルナッツ油

保湿力が高く、乾燥肌向けの石鹸ができます。ねっとりした泡の、贅沢な使用感のある石鹸ができます。メーカーにより品質がまばらです。

マカダミアナッツ油

酸化や腐敗が起きにくく、保存性に優れています。皮膚をなめらかにするため、石鹸だけでなくマッサージにも適しています。
 
「バニシング(消えてしまう)オイル」と呼ばれるほど皮膚に吸収されやすいのも特徴です。
 
加齢とともに減少するパルミトレイン酸類を多く含んでいるのでエイジングケアにもピッタリ。紫外線による老化の影響から皮膚を保護する作用も持っています。
 

レッドパーム油

未精製のパーム油で、肌の修復作用があるカロテンを多く含みます。レッドパーム油を使うとオレンジ色の石鹸になります。
 

牛乳石鹸とジャムウソープ

日本で一番使われている固形石鹸は、牛のマークでおなじみの牛乳石鹸なのだそうです。
 
2016年の国内シェアナンバーで(※インテージSRI調べ)、誰でも一度は使ったことがあるのではないでしょうか。
 
牛乳石鹸イイですよね!私も使ってます。

もう石鹸の代名詞みたいになってるもんね。私もおばあちゃんの世代から使ってます。
 
牛乳石鹸には牛脂やヤシ油が使われていて、職人さんが伝統的な釜焚き鹸化法で国内製造しています。
 
熟練の職人技で、約一週間かけて石鹸素地が作られています。
 
ちなみに使われている釜は直径4mもあり、一基あたり60トン、約25万個の石鹸を作れるそうです。
 
 
石鹸素地ができたら真空乾燥などの工程を経て
 
・ミルクバター(お肌の保護)
・スクワラン(赤箱のみ:保湿をサポート)
・香料(赤箱はローズ、青箱はジャスミンの香り)

 
を配合します。
 
その後型打ちや包装をして製品として完成します。
 
牛乳石鹸青箱にはこうした成分が含まれています。
 
石ケン素地 香料 乳脂(牛乳) 水 ステアリン酸 酸化チタン EDTA-4Na
 
※赤箱にはスクワランが加わります。
 
LCのジャムウソープ三種類の成分は以下のとおりです。
 
牛乳石鹸よりも種類が多いのがわかります。
 
ハーバルソープ

 
石ケン素地 水 ヤシ油 硫酸(Al/K) カミツレ油 アロエベラエキス オタネニンジンエキス スクワラン(※植物性) 甘草エキス
 
 
ハードバブル

 
石ケン素地 パーム油 オリーブ油 ビンロウ果実 パパイア果実エキス タルク
 
 
ビューティーバブル

 
石ケン素地 ヤシ油 パーム油 ウコンエキス コメ胚芽 パンダナス葉エキス タマリンドエキス カユプテ油
 
 
LCのジャムウ石鹸は、洗う以外の用途(ワキのニオイ対策黒ずみ対策)のために開発されたので、配合される成分が多いのです。
 
以上三つのジャムウソープは化学香料や保存料、合成界面活性剤などの化学添加物は配合していません。
 
泡パックなどで肌に密着させるので、安心できる素材でなければ継続して使用できませんからね。

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