乾燥肌や脂性肌など美容トラブルを招く肌質の中で、対処が最も難しいのは敏感肌ではないでしょうか?
 
というのも、敏感肌になると原因の特定が困難なケースがあるのに加え、専門書を読んでも解説してある内容に微妙に違いがあるのです。

このコンテンツでは、美容における著名人の著書を参考に、敏感肌とはどういうものか、どんなケアが必要なのかをまとめています。
 
敏感肌にお悩みの方は参考にして下さい。文中の太字などの文字装飾は当サイトによるものです。

小林暁子医師の敏感肌解説と対策

まずは「医師が教える正しいスキンケア大全」80~81ページから、小林メディカルクリニック東京院長の小林暁子医師の解説を紹介します。

敏感肌とは、皮膚の一番外側の角質層の保水力が低下し、肌のバリア機能が著しく低下もしくは破綻してしまっている状態です。
 
これは角質層の細胞間を満たしうるおいを保っている「セラミド」という成分が不足しているためです。
 
正常な状態では、水分(汗)と油分(皮脂)とが混ざり合ってできた「皮脂膜」が肌の表面を覆い、保護しています。
 

 
しかし敏感肌では、皮脂膜のバリアが不十分なため、外部からの刺激に大変弱く、少しのきっかけでさまざまな肌トラブルを起こしてしまいます。
 
また酸性度(pH)という観点で見てみると、正常な肌の表面は弱酸性で、善玉菌が多く分布し、逆に悪玉菌は繁殖しにくい環境に保たれているのです。
 
一方、敏感肌では、皮脂膜が正常でないがゆえに、アルカリ側へ傾き、悪玉菌の繁殖しやすい環境になっているのです。
 
悪玉菌が増殖する・・・、それはニキビや湿疹などの肌トラブルを招くことになります。

それでは、敏感肌に対してはどのようなケアをすれば良いのでしょうか?
 
小林医師の解説です。

敏感肌のケアのポイントとして、まずは「保湿」を大切にしてください。
 
保湿はスキンケアの基本ですが、敏感肌にも欠かせません。角質層の保水機能を回復させ、ひいては肌のバリア機能を回復させるために、しっかり肌に水分を浸透させて、フタをする・・・そんな保湿中心のケアがオススメです。
 
肌に刺激を与えないことも大切なので、洗顔は最上級のやさしさをもって行ってください。
 

 
そして、敏感肌用の化粧品の中から自分の肌に合うものを探してみるとよいと思います。あれもこれもと過度なスキンケアは、かえってマイナスになる場合があるので要注意です。
 
万が一、肌トラブルが起きてしまったら、早急に医師に相談しましょう。

まとめてみると、
 
・まずは保湿をしっかり
・洗顔は優しく行う
・スキンケアにあれこれ手を出さない

 
ということになりそうです。
 
二番目の「優しく扱う」件に関連して、泡立てない洗顔 ハナビラ・しろつやびじん使い方参考にコンテンツで紹介した米澤房昭さんの考え方を次に紹介します。
 
敏感肌では「とにかく刺激しない=極力触らない」というイメージがありますが、米澤さんは独自の考えをお持ちのようです。

米澤房昭さんの敏感肌対策マッサージもOK!クリームで

極めて優しいタッチのオリジナル洗顔法などが多くの支持を得ている米澤さんは、敏感肌をどのように認識されているのでしょうか?

米澤先生に聞く、肌のホントのことウソのこと55」20~21ページで解説されています。
 
ケア方法と共に紹介します。

敏感な肌、トラブルのある肌の根っこは「代謝がうまくいかないこと」にあるのです。
 
血行が悪く、皮脂が肌表面にうまく分泌されない。あるいは分泌されても、表面に留まる不要な角質と混ざり合って詰まればニキビになるのです。

敏感肌のケアにおいては「とにかく刺激は厳禁!」と強調されます。
 
そのため、マッサージなどとんでもない!と考えている人も多いようです。
 

 
これに関して、米澤氏は少し違う考えをお持ちです。

敏感肌の方こそ代謝をあげるためのマッサージを行うべきです。ただし、そのためのマッサージには条件があります。
 
ひとつは、圧をかけず、ふわっとやさしいタッチで行うこと。
 
サロンのお客さまには「小鳥を撫でるように」と説明していますが、後述するように片手にティッシュを巻き、逆の手でその表面をそっと撫でてもテイッシュが動かないくらいの圧が基本です。
 
もうひとつは、肌と指との緩衝剤となるいいクリームを選ぶこと。肌に吸収されにくく、指がほどよくすべるテクスチャーのものが必要です。
 
代謝アップと不要な汚れ除去を同時に行うほうが効率がいいと考えたので、米澤式ではクレンジングクリームという形に落ち着きましたが、皆さんがお持ちのクレンジング料やマッサージクリームにも、この条件に当てはまるものがあるかと思います。
 
肌の負担にならないものを見つけて、マッサージを行ってください。

LCの敏感肌関連レビューコンテンツでは、敏感肌に悩む女性が「ネムリヒメ」や「ハナビラ洗顔美容液」を使ってマッサージしてみた、というレビューも紹介しています。
 

 
さすがに米澤さんと同じマッサージは無理でしょうが、レビューを参考にして、「肌の代謝を上げる」意識でごく優しいマッサージを施してみてはいかがでしょうか。

友利新医師の対策 クレンジングやファンデ・日焼け止め

肌美人になるスキンケアの基本」104~109ページから、友利新医師の敏感肌解説を紹介します。
 
友利先生は、「誰でも敏感肌になる可能性はある」とされています。

敏感肌とは、体調不良やストレスなどさまざまな要因によって肌が敏感になり、化粧品やちょっとした刺激でダメージを受けてしまう肌のことです。
 
女性の場合、月経前後や季節の変わり目などに肌の機能が弱まり、トラブルを起こしやすくなる傾向があります。
 
間違ったケアで肌を傷めた結果、敏感肌になるケースもあります。
 
混合肌や脂性肌、乾燥肌といった肌質に関わらず、だれでも敏感肌になる可能性があるのです。
 
肌は、角質層のバリア機能によって外部からの刺激や異物の侵入を防いでいます。
 

 
ところが肌の乾燥によって水分や皮脂が不足すると角質層がはがれたり、保湿成分が流出することがあります。すると、細胞の間にすき間が生じて、外部からの刺激が肌に入りやすくなります。
 
同様に肌の表面も、荒れて細かい傷がついた状態になると、紫外線や化粧品などの刺激が侵入しやすくなります。

別コンテンツで紹介している敏感肌のセルフチェック項目などで調べた結果、「私って敏感肌かも?」と思ったら、どんなケアをするべきでしょうか?
 
友利医師は、まず皮膚科に相談するべき、としています。
 
それは敏感肌と思われる状態が、食べ物や化学物質によるアレルギー反応の可能性があるからです。
 
その場合、当然ですが原因となるアレルギー物質を特定しないと改善はしません。
 
敏感肌かアレルギーかを見極めるのはとても難しいので、専門医の相談するのが安全です。
 
友利医師が考える敏感肌ケアも、やはり保湿が第一です。

敏感肌の皮膚は、角質層の水分保持力や皮脂量が不十分となり、刺激に弱くなっています。
 
そのため、スキンケアで肌の乾燥を防ぐことが重要になってきます。
 
ていねいに洗顔した後、化粧水をつけて水分を補給して、水分が蒸発しないように乳液かクリームの油分でフタをします。
 
敏感肌の人は、なるべくシンプルな基礎化粧品を選ぶようにしましょう。
 

 
敏感肌用と書かれた化粧品は、基本的に皮膚のバリア機能をアップさせるものです。
 
それ以外を選ぶ際も、アルコールや角質除去成分など刺激のあるものが入っている化粧品はできるだけ避けるようにします。
 
さまざまな化粧品を試してみたいと思う人もいるかもしれませんが、かぶれやかゆみなどのトラブルをまねく可能性が高いので、普通肌に戻るまではガマンしましょう。
 
敏感肌は適したケアを続けて肌の乾燥間をなくすことで、バリア機能が徐々に復活し、次第に普通肌に戻るので、少しの間の辛抱です。

友利医師の敏感肌ケア・メイクをまとめると、こんな感じです。

ケア1 化粧水をつけるとき、パッティングは刺激となるのでNG
 
ケア2 保湿成分が配合された乳液かクリームを塗り、皮脂膜をつくる。
 
ケア3 ファンデーションは、刺激が比較的少ないパウダータイプがおすすめ。もしくは、保湿クリームを塗った後、フェイスパウダーを軽くのせる。
 
ケア4 クレンジングは、比較的刺激の少ない洗い流せるタイプでさっと落とすのがおすすめ。時間もあまりかけないようにする。
 
敏感肌の日焼け止めの選び方
ケア1 日焼け止めは肌への刺激が強いので、心配な人は医師に相談を。
 
ケア2 低刺激タイプの日焼け止めを選ぶようにする。

 
低刺激タイプの日焼け止めといえば、やはりイチオシはプエラリアUVミルクです。
 
かなりの高評価ですよ!


吉木伸子医師 敏感肌はほとんどが思い込み?

いちばん正しいスキンケアの教科書」の著者である吉木伸子医師は、「仮性の敏感肌」という考え方を提唱されています。
 
同書の30ページから、吉木医師の解説を紹介します。

今や約7割の女性が自分は「敏感肌」だと感じているのだとか。
 
ですが、生まれつきの敏感肌の人はほんのごくわずかです。
 
スキンケアがまちがっていて、肌荒れを起こしたり、乾燥していたりして、それを敏感肌だと思い込んでいる人がじつはほとんどなのです。この場合、スキンケアを正せば、敏感肌ではなくなります。
 
ほかにも睡眠不足などの生活習慣に問題があって、肌の抵抗力が一時的に落ちている場合もあります。
 
これは生活を改めれば、改善できます。これらのタイプはいわば「仮性敏感肌」といえます。
 

 
スキンケアも生活もきちんとしているにもかかわらず、どうしても肌が敏感な場合のみ、真の敏感肌なのです。
 
この真の敏感肌の場合、もともと肌が薄かったり、アトピー性皮膚炎であったり、外的刺激に過剰に反応しやすかったりということが原因になります。
 
これは生まれつきの体質であることが多いのですが、スキンケアや生活習慣がよくないとより悪化していくので気をつけましょう。

 
ちなみにLCの敏感肌関連レビューまとめでは、顔の皮膚がとても薄い女性の「しろつやびじん」レビューを紹介しています。
 
この女性はまさに、吉木医師の「真の敏感肌」に当てはまるのではないでしょうか。
 
吉木医師が考える、「仮性」および「真」の敏感肌それぞれの対処法は以下のとおりです。

「仮性敏感肌」の対処法

1 まずは敏感肌になってしまう原因を探る
オイルクレンジング、ふきとり化粧水などの肌に負担になるものを使っていないか。
 
2 生活を見直す
遅くても夜12時半くらいまでには就寝する、外食やテイクアウトにたよらず食事に気をつけるなどの努力も肌のために必要です。
 

「真の敏感肌」の対処法

1 スキンケアをシンプルに
保湿は美容液1本だけにするなど、ケアをシンプルにして。
 
2 パウダリーファンデーションのみで負担軽減!
肌荒れしているときも、UV対策は欠かせません。
 
とはいえ、日焼け止めや化粧下地は刺激が強いものが多いので、敏感肌用のクリームを下地代わりに使い、パウダリーファンデーションやルースパウダーを重ねましょう。
 
クレンジングのときの肌負担も減ってオススメです。
 
3 自己判断せず、皮膚科を受診して!
注意してケアしていても荒れる、かゆくてひっかいてしまう等の場合は、皮膚科を受診した方がよいでしょう。
 
以上、敏感肌についてまとめてみました。
 
かなり長くなりましたが、敏感肌とはどういうものか、あるいはその対処法について大まかな知識は得られたのではないでしょうか。
 
ここまで紹介したように、敏感肌にも使えるエルシーさんのアイテムは存在します。
 
しかしアレルギーなどの外部要因で敏感肌をひき起こしている可能性もあるので、どうしても調子が悪ければ皮膚科を受診しておくと安心です。